業務システムの保守費用はなぜ発生するのか

保守費は "何もしていない費用" ではなく、システムを止めないための費用である。

この記事の結論


「保守費が毎月かかるけど、何もしてもらってない感じで……」

リリース後の発注者からよく出る不満です。実際は何もしていないわけではなく、内訳が見えにくいだけのことが多くあります。

保守費は「何もしていない費用」ではなく、「システムを止めないための費用」 です。発注者がこれを理解した上で契約すると、保守会社との関係性も健全に保てます。

この記事では、保守費の内訳、保守をしないと起きること、相場感、契約時の確認項目を整理します。

保守に含まれる作業

「月額固定で何もしていない」と思われがちですが、実際には以下の作業が常に発生しています。

1. 監視

2. 障害対応

3. 軽微改修

4. セキュリティ更新

5. 外部 API 対応

6. 問い合わせ対応

7. 運用相談・改善提案

これらが、月額固定の中に含まれています。

保守をしないと起きること

「コスト削減のため、保守契約を切ろう」と判断するとき、起きうるリスク:

短期 (1〜3 ヶ月)

中期 (3〜6 ヶ月)

長期 (6 ヶ月以上)

OpenAI が AWS との提携で強調しているのも、エンタープライズ AI 導入では 既存のセキュリティ・コンプライアンス・ガバナンスのワークフロー に乗ることが鍵だ、というポイントです (OpenAI frontier models and Codex on AWS / OpenAI)。AI でないシステムでも、運用と保守は同じく組織と運用フローに組み込む必要があります。

Anthropic のセキュリティ解説でも、AI を使った脆弱性管理のボトルネックは 「発見」ではなく「検証・トリアージ・修正」 に移っていると整理されています (Using LLMs to Secure Source Code / Anthropic)。保守が「修正」の役割を担う以上、止めると累積していくのが普通です。

保守費用の相場感

「いくらが妥当か」の目安:

規模月の保守費用開発予算比
小規模 SaaS (利用者 100 人以下)10〜30 万円15〜20%
中規模 SaaS (利用者 1,000 人)30〜80 万円15〜25%
大規模 SaaS / 業務システム80〜200 万円15〜30%
エンタープライズ / 24h 対応200 万円〜30%〜

開発予算の 15〜25% が、月の保守予算の現実的な目安です。これより安いと、軽微改修対応が遅くなる傾向があります。


ここまでで「保守契約の見直しが必要」と感じたら、保守内容の整理から相談するのが現実的です。

保守契約について相談する →

契約時に確認すべきこと

保守契約を結ぶときに、確認すべき項目:

項目確認すること
対応時間平日のみ / 24h / 営業時間
対応範囲軽微改修の上限時間、セキュリティ更新の含む範囲
優先度緊急障害は何時間以内に対応か
SLA稼働率の保証 (例: 99.5%)
報告月次レポートの内容
追加費用軽微改修上限を超えた場合、緊急対応
契約解除解除時の引き継ぎ、ドキュメント引き渡し
内製化への協力将来的に社内に引き継ぐ場合の協力範囲

特に 「対応時間」「優先度」「SLA」 は曖昧にしないことが重要です。「夜中に動かなくなった時にどうなるか」を契約時に決めます。

SLA を約束しすぎない

発注者は「99.99% 稼働」を期待しがちですが、それを保証するにはインフラ費用と人件費が膨らみます

SLA月の許容ダウンタイム必要な体制
99%約 7 時間平日対応
99.5%約 3.5 時間平日 + 夜間オンコール
99.9%約 43 分24h オンコール
99.99%約 4 分24h チーム + 冗長化

「99.9% 必要」と言う前に、自社の業務にとって本当に必要かを確認します。多くの BtoB SaaS では 99% で十分です。

月次レビューの活用

保守契約には、月次の振り返りミーティング を組み込むのがおすすめです。

これがあると、「保守費用が何に使われているか」が定期的に可視化されます。発注者と保守会社の信頼関係 を保つ上で重要です。

内製化のサポートも保守の一部

「将来的に内製化したい」場合、保守会社は その移行を支援する役割 も担えます。

これを契約時に明示しておくと、内製化を進めるときにスムーズです。

min's の保守支援スタイル

min's では、保守契約を以下の 3 パターンで提供しています。

パターン 1: ライトな保守

パターン 2: スタンダードな保守

パターン 3: フルマネージド

事業フェーズと運用ニーズに合わせて選びます。


保守契約について相談したい方へ

min's では、保守内容の整理、新規契約、既存契約のセカンドオピニオン、内製化への移行支援を行っています。

以下のような状態であれば、ご相談ください。

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